飲食店を始める前に、その事業をどのように進めていくのか…。具体的に考えるためにも、事業計画書の作成は必要不可欠なプロセスです。飲食店の事業計画書を作るためにはどうすればいいのか、ポイントはどこかなど初めて事業計画書を作る方に役立つ情報をご紹介します。
事業計画書とは?
事業計画書とは、飲食店を開業するにあたって銀行などから融資を受ける際に使われる書類です。口頭で「こんな飲食店をオープンするので融資してください」と言っても、融資はしてもらえません。具体的にどんなお店にするのか、売り上げはどのくらいを見込んでいるのかなどを詳しく記載した事業計画書を添えて、はじめて融資してもらえるかどうか審査されることになります。
融資を受けるためにはしっかりと具体的な計画書を書かなければなりません。また、事業計画書を書くことで自分自身も飲食店経営における進め方やプランを見直したり、より良いものにしていくために考えをまとめることができます。
事業計画書のテンプレートをダウンロードしよう
様々なサイトで、事業計画書のテンプレートをダウンロードすることができます。最も多くの人に使われているのが、日本政策金融公庫で公開している「創業計画書」と呼ばれるものです。まずはこういったテンプレートをどのようなことを書いていけばいいのかチェックしていきましょう。
1.創業の動機
なぜ飲食店を始めるのか、どういった目的や動機があるのかを記載します。この動機がお店作りの根本となるポイントなので、しっかり考えてまとめましょう。
2.取り扱う商品やサービス
メインとなるメニューやサービスについて記載します。飲食店の場合はメニューが多いので書ききれないと思いますが、主力メニューとなるものを3つほど決めて書くといいでしょう。
例えば、ランチがメインのお店の場合は、日替わりランチを主力メニューとして記載し、その金額や簡単な概要(何種類か、デザートドリンク付きなど)を書いて、その商品が全体の売り上げのうち何%になるのか記載するといいでしょう。
3.取引先や仕入れ先
飲食店の場合は、販売先は一般のお客さんとなります。販売先として一般のお客さんと記載し、おおまかなターゲットの情報を書くといいでしょう(OL・会社員など)
また、消耗品はもちろん、材料の仕入れ先との取引があります。取引をすることになる会社の情報もしっかりチェックしておきましょう。
4.従業員について
1人で、夫婦で行うという場合は別ですが、スタッフを雇う場合はその人数や雇用形式(社員として雇うのか、パートやバイトとして雇うのかなど)を計画して記載します。
5.必要な資金と調達方法
ここはとても重要なポイントとなります。店舗を取得する際の費用から工事費用や内装費用などお店を始めるための費用はもちろん、毎月かかる仕入れ費用や光熱費などもしっかり計算して記載します。ある程度見積もりを取ってもらい、具体的な金額が分かるようにしておきましょう。
そして、その費用はどこからお金を出して支払うかも考えましょう。自己資金がいくらあるのか、売り上げ見込みはどのくらいかなどを考えて記載することで、いくら融資してもらえば足りるのかなど資金の調達方法を考える目安になります。
6.売り上げ見込み
毎月の売り上げがどのくらい見込めるのか、最初は予想がつかないかもしれませんが、売上高を予想で構わないので設定し、そのほか仕入れや人件費、家賃などの費用を引いてどのくらい売り上げが見込めるかを考えます。あくまでも見込みなので、「目標」となる額を記載しても構いません。
飲食店は波があるので売り上げが予測しづらいという点もありますが、周囲のお店はどのくらいお客さんが入っているかなどをチェックして売り上げを想定しておきましょう。
より凝った事業計画書を作ってみよう
絶対に事業を成功させたい、という気持ちがあるのなら、テンプレートを埋めるだけではなく自分でワードやパワーポイントなどを使って事業計画書を作ってみましょう。パワーポイントなどは、プレゼンにぴったりのソフトです。融資を受けたい場合は、非常に有利に働きます。
上記のような項目の他に、広告方法、食器はどんなものを作るか、ロゴはどんなものにするかといった細かいことも書きましょう。また、競合店にどのようにして勝てるお店にするのか、コンセプトを記載し、それをどのような形で実現するのかなど、より明確にお店のプランを記載していきましょう。写真や画像を使って作るとよりお店のイメージが湧いてきます。
成功している事業の事業計画書を見てみよう
成功している飲食店では、事業計画書を公開しているお店もあります。そのまま真似しても意味はありませんが、事業計画書の書き方を参考にしてみたり、どういった形式で書かれているかをチェックすることでより具体的なビジョンを描ける事業計画書を作ることができるでしょう。
ぜひいろいろなお店の事業計画書を調べて、自分の飲食店の計画書もより良いものにしてくださいね。