飲食店を開業するために必要な資格とは

飲食店を開業するために必要な資格とは

飲食店を開業するために必要な資格として、「食品衛生責任者」と「防火管理者」というものがあります。これらの資格がどんなものなのか、どうすれば取得できるのかを知っておきましょう。


この記事は約5分で読み終わります。

飲食店を開業するために、様々な備品や設備を整える必要があります。その中で忘れてはいけないのが、資格。飲食店を開業するために必要な資格として、「食品衛生責任者」と「防火管理者」というものがあります。これらの資格がどんなものなのか、どうすれば取得できるのかを知っておきましょう。

食品衛生責任者

飲食店や喫茶店などはもちろん、魚介類や食肉などの販売業にも必要な資格です。食べ物を取り扱うなら、必ず必要になります。公衆衛生を保つために必要な資格として、飲食店を開業するためにはお店に資格を持った人が1人以上居なくてはなりません。原則として、複数の施設で同じ人が食品衛生責任者になることはできません。1店舗につき必ず1人は有資格者が必要です。

食品衛生責任者になるには

食品衛生責任者講習会を受けることで、責任者になることが出来ます。都道府県によっては受講者を制限している場合がありますが、基本的には誰にでも受講資格があります。場合によっては未成年でも受講できます。医師・栄養士・調理士・食品衛生管理者などは、講習が免除されることがあります。

講習を受ける方法

各地域で社団法人が食品衛生責任者の講習会を開催しています。インターネットでも講習会の日程が記載されていますので、お住いの都道府県で行われている講習会を調べてみましょう。

受講料は10,000円。窓口で事前に申し込みをする必要があります。受講当日にいきなり会場に行っても受講できないので注意しておきましょう。社団法人によってはネットでの受付を行っている場合があります。受講予定の社団法人のホームページをチェックしておきましょう。

受講内容

衛生法規2時間・公衆衛生学1時間・食品衛生学3時間の合計6時間の受講が行われます。最後に形式上テストが行われますが、このテストの結果によって落とされることはありません。受講をすればすべての人に食品衛生責任者の資格が授与されます。

受講が終わった後、終了証というものが交付されます。ここで受け取った終了証を開業の手続きの際に行政機関へ提示する必要があります。

受講後、飲食店の責任者に登録された後は、定期的に講習を受ける必要があります。都道府県によって決まりは違います。1年に1回受講する場合もありますし、3年に1回の場合もあります。

防火責任者

飲食店における火災による被害を防止するために、消防計画を作成して、防火管理上必要な業務を行う責任者のことを「防火管理者」といいます。飲食店ではこの防火管理者の資格を持った責任者が居なくてはなりません。防火管理者が必要なのは、収容人数が30名以上(スタッフ含む)のお店で、30名以下の小さい規模のお店であれば必要はありません。店舗の床面積が300平米以上なら「甲種防火管理者」300平米未満の場合は「乙種防火管理者」という資格に分けられます。

資格を取得するには

防火管理者になるには、各地の消防署が実施している講習会を受講しなければなりません。受講すればすべての人に資格が授与されます。不合格となることはまずありません。

大学や専門学校などで防災に関する学科を卒業し、1年以上防火管理の経験がある方や、消防職員として管理的・監督的な職務に1年以上就いていた場合は、講習を受けなくても資格を取得することが出来ます。他にも、例外的に受講が免除される場合があります。

講習を受ける方法

受講費は大体3,000円から6,500円ほどがテキスト代や終了証などの経費として必要となります。金額は自治体により異なります。インターネットで調べるか、近くの消防署に問い合わせてみましょう。金額はもちろん。講習日などを教えてもらうことが出来ます。

1回の講習につき定員が決められているので事前に受講申し込みを行います。受講回数が少ない自治体もあるので、事前にしっかりとチェックしておくことが重要です。

資格の取得後は、お店の営業開始日までに防火管理者選任届などを消防署に提出する必要があります。このような手続きの方法は受講の際に教えてくれるので、しっかり聞いておきましょう。

受講内容

300平米以上の大きな店舗で必要になる甲種防火管理者の場合は、合計約10時間の講習を2日に分けて行います。自営業の飲食店に多い規模の乙種防火管理者の場合は約5時間の講習を1日かけて行います。基本的には座学がメインとなります。

甲種防火管理者の資格を取っていて、一部の特定防火対象物に定められた建物で経営をする場合は、その後定期的に再講習を受ける必要があります。

他にも必要な資格はあるの?

基本的には「食品衛生責任者」「防火管理者」の資格があれば飲食店は経営できます。飲食店の経営には調理師免許が必要だと思われがちですが、必ず必要な資格ではありません。調理師免許がなくても経営上は問題がないことの方が多いのです。

夜にお酒を出す場合など、お店の経営方法に応じて必要な届け出などもありますが、資格は不要です。
飲食店を開業するために必要な資格は2つ。開業前に受講をしておく必要があると覚えておきましょう。