債務超過によって引き起こされるリスク!解消するための方法と対策

企業の債務(負債)総額が総資産額より上回ることを債務超過と言います。そのため経営陣は、本来であれば債務超過状態になる前に迅速な経営体制の見直しが必要です。 今回は、債務超過によって引き起こされるリスクと債務超過を解消するための手段を紹介していきます。


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債務超過によって想定されるリスク

まずは、債務超過によって想定されるリスクを解説していきます。債務超過に陥ると会社の価値を大きく失墜させます。

想定されるリスクは大きく5種類に分けられます。いずれも会社の経営基盤に大きな影響をもたらすものばかりです。よく確認しておきましょう。

融資が受けにくくなる

冒頭でもお伝えしたとおり、債務超過は債務(負債)が資産よりも多い状態のことです。会社が債務超過に陥っている場合、返済する資金がないと銀行に見なされてしまいます。そのため、新規の融資が受けにくくなるのです。

新規の融資がないと、会社の経営を立て直す資金を得られません。さらに業績が悪くなる可能性も否定できず、経営状態を改善できない悪循環に陥る危険があります。

取引先の信用喪失

債務超過は取引先からの信用を失う可能性が高いです。取引先の中には、債務超過の噂を聞きつけて、財務状況を確認してくるケースもあるでしょう。

一時的なものであれば、信頼は回復するかもしれません。しかし、債務超過が長引くと新規の取引先が開拓できないばかりか、代金の回収ができない企業として取引先から取引の数量を制限されたり、取引が打ち切られたりすることが考えられます。

上場の取り消し

上場企業の場合、1年以上債務超過が続くと上場廃止の措置を受けることがあります。上場廃止となれば株価は暴落し、信用も無くなります。業績が急激に悪化する要因にもなりかねません。

従業員の退職

債務超過を起こして業績が悪化していくと、給与・賞与を十分に支給できません。従業員の賃金未払いに発展するケースもあるでしょう。そうなると、従業員が退職してしまうことが頻発します。

特に飲食店で従業員が退職すると、営業に甚大な支障をきたします。人員が減ることで営業時間の一部で稼働できない時間帯が発生するかもしれません。さらに多くの店員が退職すれば、営業がままならなくなるでしょう。

倒産の可能性

債務超過の悪循環は、最終的に会社を倒産に導く恐れがあります。新規の融資が受けられないだけでなく、取引先の信用喪失から取引の数量を制限されてしまうと、業績はさらに悪化するためです。

会社が倒産すると、今まで培ってきた技術やブランドをすべて失ってしまいます。最悪のケースである倒産だけは避けなければなりません。

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債務超過を解消するための6つの方法

債務超過を解消するための6つの方法を見ていきましょう。解説する内容は会社経営にも役立つ、重要な方法ばかりです。

民事再生法の活用

民事再生法は倒産法のひとつとされ、会社再建型の軸となる法律で、手続きに関する再生手続法も定められている点が特徴です。

中小飲食店の場合は、民事再生法を活用することで倒産せずに事業継続の道を探すことができます。民事再生法から会社を再建するのです。債務超過で経営困難に陥った場合、民事再生法はひとつの選択肢となり得るでしょう。

民事再生では、自力再建型・スポンサー型・プレパッケージ型によって再建することになります。詳しい手法はこちらの記事を参照してください。

利益が見込める資産の売却

債務超過を解消する方法には、利益が見込める資産の売却があります。

会社名義で保有している資産のなかで簿価よりも高い価格での売却ができるものがあれば、売却しましょう。「資産売却益」の項目で収益が発生します。その結果、会社の赤字を減少できます。

さらに、売却した資金を債務の支払いにあてれば、債務超過の状況を改善できるかもしれません。このような資金繰りが改善する手法にもなり得ます。

経費の見直し

経費の見直しは、債務超過を解消するために必要不可欠な作業です。会社の収益を改善し、ムダな支出を抑えることで経営の改善を図ります。具体的には、大きなウエイトを占める仕入れ、人件費、家賃などの見直しや交渉、接待交際費などムダな支出がないか徹底的に確認し、余分な項目は削減していきます。

増資を行う

役員や経営者が会社に増資をすれば、会社の資金を増やすことが可能です。増資した分だけ資本金が増加するので、債務超過を解消する手立てとなります。

また、第三者割当増資という手法もあります。これは、第三者に新株を引き受けさせる権利を与える方法です。役員や幹部の家族に、この権利を与えるために発行するケースが一般的です。

DES(デット・エクイティ・スワップ)

DESとは、債務と株式の交換を指します金融機関に負債の返済を免除してもらう代わりに、自社のもっている株式を付与することで債務超過を改善するのです。

しかし、この手法は一時的に有効であるものの、根本的解決にはなりません。会社が資本を得る代わりに、金融機関の影響力が強くなるからです。逆に、金融機関は会社の倒産を未然に防ぎ、経営方針に対する発言権を得られます。

M&A

M&Aは合併と買収を意味します。債務超過であっても他社にはない独自の技術やスキルがある場合、または利益を出している場合は、買収を検討する企業が現れることがあるからです。うまくいけば、債務超過からの倒産を回避し、従業員の雇用も維持できるでしょう。

飲食店の売却を検討している場合は、業界に特化したM&A Propertiesへご相談ください。3万社におよぶグループ顧客のネットワークを活かして、幅広い買い手企業の情報提供が可能です。また、今まで蓄積されたデータを活かしてM&Aの交渉を円滑に進めることができます。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

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まとめ

今回は、債務超過によって引き起こされるリスクと解消方法を項目別に紹介しました。資金繰りが苦しくなり、融資が受けられなくなって取引先の信用が落ちていくと、最終的には倒産してしまう可能性が出てくるでしょう。

債務超過を解消する主な手法には、民事再生法の活用・含み益のある資産の売却・経費の見直し・増資・DESがありますが、M&Aで会社を売却するという手法もあります。他社にはない技術や人材など、買収するだけの価値や魅力があると買い手が判断すれば、M&Aを成立できるかもしれません。

とはいえ、買い手探しを独自に行うことは、容易ではありません。そこで、M&A Propertiesへ相談し、あなたの会社に興味を持つ買い手がいるのかどうか、調べることをおすすめします。一日も早く問題を解決するためにも、ぜひご検討ください。