飲食店経営の落とし穴!なぜ新規開業は失敗してしまうのか

飲食店経営は成功事例が多い一方、失敗事例も多くあります。失敗パターンを事前に学ぶことで、同じような失敗を回避することができるでしょう。 新たに飲食店を開業する際に陥りやすい、代表的な失敗パターンを4つ紹介します。


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飲食店経営におけるありがちな失敗パターン

飲食店経営は成功事例が多い一方、失敗事例も多くあります。失敗パターンを事前に学ぶことで、同じような失敗を回避することができるでしょう。
新たに飲食店を開業する際に陥りやすい、代表的な失敗パターンを4つ紹介します。

① コンセプトが甘かった

1つ目は、新たに開業する飲食店のコンセプトが甘いために経営を失敗するパターンです。

異業種から飲食店を開業する際、未経験の状態から新規参入することになります。その場合、進出する業界のトレンドや事情について把握できていないことが多いのです。結果として、将来性のないジャンルの飲食店経営に参入してしまうこともあるでしょう。

また、将来性のあるジャンルに参入したとしても、ノウハウや情報が不足することで、すでに経営を軌道に乗せているライバル店に負けることも十分に考えられます。

このような事態を防ぐには、参入前にきちんと情報収集した上でシミュレーションを行いましょう。業界未経験の事業主ひとりでは限界があるため、他の経営者やプロのコンサルタントにアドバイスを求めることが非常に有効です。

新しい環境に身を投じる際には、入念な準備を行うようにしましょう。

② キャッシュフローなど経営の管理がうまくいかなかった

2つ目は、キャッシュフローをはじめとする、資金管理に失敗することで経営が破綻するパターンです。

どのようなビジネスも、利益を出すことが最重要の目的です。利益は売上と経費の差から算出されますが、売上を気にするあまりに経費の方を軽視してしまうこともあります。

飲食店の場合、店舗のスペースや商品の種類などにより、1店舗が生み出せる売上には限界があります。利益を多く出すには、経費を管理して削減する努力が必要です。毎月の経費の予算をきちんと立てて上限を設定し、その中で経費をやりくりする方法が有効でしょう。

また、店舗と事業主個人のお金が混同することで、資金管理に失敗することもあります。これは、個人事業主の飲食店に多いパターンです。事業主個人の生活費に店舗のお金を使ってしまい、店舗の負担を増加させる場合などが考えられます。

対策としては、店舗と事業主の通帳や財布を別々に管理し、徹底した区別をすることが大切です。そもそも、ビジネスの基本であるお金の管理は、徹底して行わなくてはいけません。

③ スタッフの管理・教育がうまくいかなかった

3つ目は、スタッフの管理や教育に失敗することで経営に支障が出るパターンです。

本来、共に飲食店を盛り上げる役目を担うはずのスタッフですが、労働環境の悪化などによって離職してしまうことがあります。

離職者が多くなると、人材が不足して経営が苦しくなります。具体的な失敗の原因は、「職場の人間関係が悪い」「労働時間が長くて不安定」「スタッフのサポート体制が未熟」などが挙げられるでしょう。

対策としては、「日々の声掛けや交流会によって職場内の人間関係を改善する」「シフトの融通を利かせる」「有給休暇を促す」「業務をマニュアル化して効率を上げる」などがあります。店舗で働くスタッフも、大切な経営資源であると認識しましょう。

④ 十分な集客ができなかった

4つ目は、思うように集客ができず経営が破綻するパターンです。

魅力的な商品、万全の資金管理、スタッフの管理・教育制度など、経営者側の準備が万全であっても、集客ができなければ飲食店は廃業してしまいます。商品やサービスが高品質であれば口コミなどで集客は可能ですが、認知されるまでに時間がかかるでしょう。それまでに資金が尽きてしまう可能性も大いにあるのです。

集客に失敗する原因として、「周辺地域のデータ収集が甘い」「立地条件に合った商品を販売できていない」「消費者に店舗が知られていない」「リピーター率が低い」などが考えられます。

新しく飲食店を開業する際には、出店する地域の調査を行わなければなりません。その地域の客層、交通量、人通りの多い時間帯、ライバル店などを全般的に調査しなければ、出店後の業績に影響が出ます。

また、出店した地域に合った商品を販売しなければ、商品は売れません。ターゲット客層の年齢、性別、所得などを調査し、そのニーズに合った商品を販売しましょう。

そのほか、新店舗を出店した直後は、お客さんからの認知度が低いことがほとんどです。SNS、ホームページ、チラシなどを作り、宣伝広告に力を入れる必要があります。

しかし、新規のお客さんが増えたとしても、その後も継続して利用してくれるリピーターがいなければ、経営は不安定となるでしょう。リピーター率を上げるには、商品やサービスの品質を見直すという基本的な対策を行うとともに、クーポンや特典によってリピーターのインセンティブを作る方法を考えましょう。

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失敗しにくい飲食店経営のすすめ! 専門家と一緒にM&A

未経験で飲食店という新しい事業を展開する場合、さまざまな失敗のリスクが出てきます。これらのリスクを最小限に抑える手段として、M&Aがあります。

M&Aなら飲食店経営のリスクが低い

飲食店を新たに出店する際にM&Aを行うことで、経営失敗のリスクを低く抑えることができます。すでに固定客をつかみ、経営が安定している飲食店をあなたが買収することで、軌道に乗った状態から飲食業をはじめられるからです。

具体的に解説しましょう。M&Aで飲食業へ進出するメリットは、大きく分けて3つあります。

1つ目のメリットは、「買い手企業は、売り手企業の事業をそのまま取得することができる」ことです。

通常、ゼロから飲食店を開業するとなると、多くのコストや時間をかけなければなりません。しかし、M&Aによって売り手企業の完成されたノウハウや経営資源をすることで、コストや時間を削減すると共にスムーズな新事業立ち上げが可能となるでしょう。

2つ目のメリットは、「開業の手続きを省略できる」ことです。ゼロの状態から新しい飲食店を出店する際には、通常さまざまな手続きを行います。その手続きに必要なコストや時間は、少額では済みません。しかし、M&Aでは既存の店舗を取得するので、面倒な手続きを減らすことができるのです。

3つ目のメリットは、「新店舗出店後の経営予測や、投資の回収予測がしやすい」ことです。通常、M&Aを行う前には決算書の確認が行われると共に買収監査(デューデリジェンス)が行われます。買収監査とは、公認会計などの専門家が売り手企業の資産・負債・その他のリスクなどを監査することをいいます。

これらの作業によって売り手企業の業績や資産の状態などが把握できるため、「M&A後にどのような経営状態になるか」や「投資した額がいつ回収できるか」を予測できるでしょう。

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また、上場企業から中小企業まで、規模を問わず、飲食業の事業承継や事業売却に確かな実績があります。ぜひ、一度ご相談ください。

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まとめ

新たに飲食店の経営を始めるならば、さまざまな失敗のリスクに注意が必要です。

内部のリスクには、お金やスタッフの管理が行き届かないなどが挙げられます。また、内部の体制が整ったとしても、事前の情報収集が不足していれば廃業に追い込まれるかもしれません。

一方、M&Aで既存の飲食店を取得すれば、これらのリスクを下げる可能性が高まります。新規事業を安定した状態でスタートしたいなら、M&Aは良い手段といえるでしょう。