飲食店の稼働率や回転率は売り上げを計算する際に重要となる項目のこと。どちらも店舗の「席」に関わる数値となる。
稼働率とは
飲食店の客席がどのくらい稼働しているかどうかを表す指標のこと。「テーブルが満席になった場合何%の席が使用されているか」という数値をパーセンテージで求める。例えばテーブルがすべて埋まっていても、4人用の席に2人の顧客が座れば2席は空いたままになってしまう。この場合の稼働率は2/4となり、50%という数値になる。
4人席のテーブルが10卓ある店で満席になったとする。稼働率が100%になるには40人の顧客が必要となる。しかし顧客の内訳が4人客が2組、2人客が6組、3人客が2組だと顧客数は合計で26名。計算式は26÷40=0.65で稼働率は65%と求められる。この場合はせっかく満席になっているのに35%の空席が出てしまっているため、売り上げ効率が下がっていると言える。一般的には稼働率は70%以上あれば良いと言われている。
稼働率をアップさせるには顧客が何人組で訪れるかを考えなくてはならない。4人席のテーブルが多い店舗でカップルや2人組、1人だけで来店する顧客が多いとどうしても稼働率は下がってしまう。そのため1人だけで来店する顧客が使用するカウンター席やカップル向けの2人席などを設置したほうが場所を有効活用しつつ、より多くの顧客に利用してもらうことができ、稼働率は上がる。
回転率とは
どのくらいの人数が席を利用したかを表す指標のこと。1時間当たりで計算することもあれば、1日当たり、週当たり、平日と週末といって期間を分けて考えることがある。基本的には1日あたりの数値を求めることが多い。計算方法は「顧客数」÷「席数」で計算することができる。ある1日の来店数が100人で席数が20席なら計算式は100÷20=5で回転率は「1日当たり5回転」と求めることができる。
飲食店は回転率が低いと、より多くの顧客に商品を提供することができなくなる。つまり売り上げ効率が下がるということだ。そこで料理の提供時間を短くしたり、居心地が良すぎるお店作りを避けるという方法で回転率を上げている店舗もある。
また、提供する料理のジャンルによっても回転率は変わる。例えばうどん店なら食べればすぐに帰る顧客が多いため回転率は高くなる。しかしwifiが使える喫茶店など長時間滞在しやすい店舗の場合は回転率が下がってしまう。1人当たりの単価が高ければ回転率が低くても儲けは出るが、1人当たりの単価が低い場合は回転率を上げてより多くの顧客を来店させなければ売り上げはアップしない。