エクイティファイナンス(Equity Finance)とは、株主資本(エクイティ)を増加させる資金調達方法のことを指します。
企業の、M&Aのための資金調達の方法には大きく以下の2つがあります。
①デットファイナンス(Debt Finance)
②エクイティファイナンス
①のデットファイナンスは、金融機関などから融資を受ける「負債(Debt)」によって資金調達をする方法です。新株の増加を伴わない資金調達方法とも言え、主に銀行融資やシンジケートローン、社債・私募債発行による資金調達を指します。
②のエクイティファイナンスは、会社に投資してもらう「資本」によって資金調達をする方法です。エクイティファイナンスで資金を調達することで、賃借対照表(バランスシート)の「資本」が増加します。
エクイティファイナンスによる資金調達方法には、株式の新株発行による株主割当増資、第三者割当増資、公募増資などの増資の他、新株予約権、新株予約権付社債の発行といった、将来的にエクイティの増加をもたらしうる資金調達法も含まれます。
エクイティファイナンスによる資金調達の大きな特徴は、原則的に返済の義務や利息が発生しないという点にあります。自己資本の充実や、企業の財務体質を強固なものにする効果が期待できます。
エクイティファイナンスで調達した金額が大きいと自己資本比率が上がり、銀行も融資がしやすくなり、さらなる資金調達が可能となります。
エクイティファイナンスは、M&Aや事業承継対策にも用いられる手法です。
反面、株主にとっては新株として発行株式が増えた分、一株の価値が薄まってしまうという負担がかかる資金調達法となります。そのため、株主割当以外のエクイティファイナンスの場合、既存株主に対して合理的な説明を行って理解を得る必要があり、また、新株の多くを第三者が握った場合には、経営支配権や配当方針等に影響が出る可能性もあるといえます。
資金調達の方法は、エクイティファイナンスとデットファイナンスの片方のみを選択するのではなく、両方を検討し、場合によってはどちらもバランスよく用いることがこれからの資金調達において重要になると思われます。