ライツプラン(ポイズン・ピル)とは、買収防衛策の一つで、敵対的TOBが開始されたときなどに発動し、買収に要する価格を高騰させる仕組みを作っておき買収コストが高くつくことを買収者に認知させることで買収を断念させようとするものです。日本語訳の「毒薬条項」とも呼ばれています。
敵対的買収に対し、自社を防衛する措置として既存株主に対して新株予約権を付与したり、従業員にストックオプションを付与したり、又はこのようなことの出来る条項を自社の定款に入れておきます。
そうすることで、敵対的買収を仕掛けられた際に新株予約権やストックオプションが行使され、味方の株主の株式数は増え、敵対企業の買収コストは大きくなり、資金が足りずに買収を諦める可能性も高くなるので買収防衛策として有効といわれています。
ポイズン・ピルにはいくつか手法がありますが、今日の日本企業に見られるポイズン・ピルには、新株予約権を利用した「事前警告型ライツプラン」や「信託型ライツプラン」が多く用いられれています。そのため、ポイズン・ピルとライツプランは同義ではないのですが、日本ではほぼ互換的に用いられています。
事前警告型ライツプラン
平時の段階で買収者登場時に講じる防衛策を開示して事前警告し、敵対的買収を事前に防ぐ手法
信託型ライツプラン
新株予約権を信託銀行などに預けておき、敵対的買収が仕掛けられたときに信託銀行が発動する手法
日本で発動されたポイズン・ピルの事例としては、2005年に「ニッポン放送」が発動したものが有名です。当時、株式会社ライブドアが、TOB期間中に東証の時間外取引等でニッポン放送の経営権の 37.85%を取得していました。ニッポン放送はこのライブドアの経営権取得を阻止すべく、大量の新株予約権をフジテレビに割当て、敵対的買収を防ぎました。