シナジーとは、もともと英語の「synergy」のことで、人・部分・組織などが共同することにより、それぞれの力の和を上回る効果が得られることを意味しており、「シナジー効果」とは、複数のものが組み合わさって得られる「相乗効果」という意味合いで使われています。
もともと、生理学や生物学といった分野で用いられていた用語ですが、現在では経済学やビジネスシーン、一般的にも多用されている言葉となっています。
M&Aにおいては、複数の企業(事業)が合併・統合されることにより、各々の企業(事業)が別々に存在・運営していたときよりも大きな価値が得られるメリットのことを意味しています。
M&Aを検討する際、その背後にはさまざまな目的(経営戦略)がありますが、そのほとんどの目的の達成には、より高いシナジー効果が生み出せる相手先の選択が重要なポイントとなります。
一般的には、自社の既存事業と関連性のある事業同士であれば、よりシナジー効果が高くなります。
M&Aによってもたらされるシナジーは、得られる効果によって様々に分類されますが、代表的なシナジーには以下のようなものがあります。
①売上(収益)シナジー
M&Aの後の売上金額がM&A前の両社の合計額よりも大きくなること
②コストシナジー
M&Aにより会社の規模が大きくなることで、従来よりもコストを削減出来ること
シナジー効果の対義語として『アナジー効果』があります。アナジー効果とは、相互のマイナス効果のことを意味します。シナジー効果を狙ってM&Aを行ったけれども、想定よりもシナジー効果が出ない場合や、M&A前よりも業績が低下してしまう場合も多くあります。具体的な対処法のひとつとしては、会社もしくは事業を分裂した状態に戻す「ピュアカンパニー化」が挙げられます。
シナジー効果を最大限発揮し、かつアナジー効果を抑えるためには、事前にM&Aのリスクを把握し、各リスクへの対策を用意しておくことが重要となります。