ツバ、髪の毛、ほこり、菌・・意図しない「飲食店における厨房担当者の異物混入」を防ぐために

ツバ、髪の毛、ほこり、菌・・意図しない「飲食店における厨房担当者の異物混入」を防ぐために

飲食店を経営する人間にとって、もっとも気を配るべきもののうちの1つは「衛生管理」です。 衛生管理がきちんとできていないことは、食中毒の原因のうちの1つになり得るからです。 また、異物混入によるアレルギー問題やクレームについても、当然多くの人が注意しています。


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飲食店を経営する人間にとって、もっとも気を配るべきもののうちの1つは「衛生管理」です。
飲食店経営者ならば、だれもが、「食中毒」に対して神経質になり、万全の対応を払っていることでしょう。衛生管理がきちんとできていないことは、食中毒の原因のうちの1つになり得るからです。
また、異物混入によるアレルギー問題やクレームについても、当然多くの人が注意しています。

ただ、この「衛生管理」「異物混入」は、食中毒やアレルゲンの問題だけに繋がっているのではありません。
ツバや髪の毛、ほこりといったさまざまなものについても考えていかなければならないのです。

厨房担当者の異物混入問題

異物が混入する場所は、ホールだけにとどまるのではありません。当然、「厨房」でも起こり得るものです。特に、ツバや髪の毛、ほこりなどは、ホールでも厨房でも入り込んでしまうものです。

人間が多く働いている以上、これらを完全にシャットアウトすることはできません。どれだけ清掃をしていたとしても、無菌室で作業することなどできないからです。

ただ、これらが混入してしまうと、人は強い不快感を覚えます。髪の毛やほこりといった目立つものはもとより、ツバについても、「厨房のなかで調理担当者がしゃべりながら料理を盛り付けていた」などのようなことでクレームが寄せられるケースがあります。
加えて、手洗いが不十分だと、手から菌が料理に移ってしまう可能性も考えられます。

このため、完全には無理であっても、ホール担当者と同じかそれ以上の衛生観念をもって料理に携わることが求められます。
特に、「手から移る菌」は、手洗いによって、その大部分を殺菌することが可能です。

徹底したい「手洗い」について

厨房の衛生管理において、「手洗い」は非常に重要な項目です。「手を洗う」という、子どものころからだれもがやっている行動によって、手についている細菌の多くを洗い落とすことができます。

この「手洗い」はどのように行えばよいのでしょうか。

飲食店、特に料理に触れる厨房スタッフの場合、シフトに入った後、休憩に入った後、両方で手洗いをするべきです。また、飲食店の一部のなかには、「1~2時間に1回は必ず手洗いをすること」をマニュアル化しているところもあります。

殺菌効果の強い石けんを使うのはもちろんのことですが、アルコールもあると心強いでしょう。爪ブラシも用意しておき、爪のなかまできれいに洗えるようにしておきます。ブラシが不衛生な状態になると本末転倒ですから、ブラシは日替わりで使いましょう。

「蛇口」についても考えましょう。
蛇口は意外と汚れやすいものです。せっかくきれいに洗った手であっても、蛇口をしめればまた汚れてしまいます。そのため、足で踏むタイプ、もしくは自動で水が流れて止まるタイプを採用するのが理想です。

意外と見落としがちなのが、「タオル」です。
布製のタオルは使いまわすことでかなり不衛生な状態になります。使い捨てができるペーパータオルを採用します。

また、「正しい手洗いの方法」を手洗い場のところに貼っておきましょう。

「格好」について考える

ある程度の華やかさやかわいらしさ、スタイリッシュさなどが求められることもあるホール担当者とは異なり、厨房スタッフの場合は「清潔な状態で作業できること」を一番に考えた装いが求められます。そのため、汚れがすぐにわかる白色を使ったデザインの制服などが好まれます。エプロンは使うべきですが、エプロンで手を拭くのは厳禁だと指導しましょう。

また、厨房スタッフの場合は、腕時計などのアクセサリーはすべて外します。結婚指輪も外した方がよいでしょう。これらと手指の間に細菌が残る可能性は非常に高く、とても危険です。手袋をして作業するのであっても、爪は短い方が望ましいものです。爪と指の間に汚れが入り込むのを防ぎます。

頭は、男性ならば髪の毛を短く切りそろえます。女性の場合は必ずゴムなどでまとめましょう。前髪もピンでとめるようにします。また、これだけでは不十分ですから、帽子などをかぶり、髪の毛が落ちないようにしてください。このとき帽子は、ネットタイプの柔らかいものと、それをさらに抑えられる帽子の二重構造が望ましいと言えます。髪の毛はすべて帽子のなかに収めるようにしてください。

男性ならばヒゲはきちんと剃ります。化粧については考え方が分かれるところです。店舗によって、「化粧は基本的にはしない」としているところもありますが、する場合でも、薄化粧にとどめておくのが基本です。

マスクは必須です。紙製のマスクでもないよりはマシですが、現在はプラスチック製のマスクも出ています。アゴを完全に覆うタイプのものも販売されています。これはツバの混入を効率よく防いでくれますから、厨房担当者に特におすすめです。

衛生管理をしっかりすることは、飲食店経営の基本です。制服も含めて見直しましょう。