東京で飲食店を開業するメリット
多くの飲食店がひしめき合う東京で、飲食店を開業するメリットとはなんでしょうか。
まずは圧倒的に集客が見込みやすい土地柄でしょう。東京は人口が集中している、乗降者数の多い駅が複数あるなど地の利があり、平日、休日問わず人が集まりやすい土地です。
また、東京には銀座などの一等地もあれば、サラリーマンが集まる新橋エリア、新宿のような夜間営業がしやすいエリアなど、さまざま特徴あるエリアがあることも大きな魅力ではないでしょうか。あなたの店のコンセプトに合ったターゲットや立地を見つけやすいからです。
東京は、出店する手段を探しやすいことも大きな特徴です。東京の繁華街には多くの物件があるため、選択肢が格段に増えます。
また、東京はフランチャイズ本部を運営する企業にとっても一大商業圏であるため、多くの企業が加盟店を募集しています。地方よりもフランチャイズの選択肢も多くなるでしょう。また、M&Aによって飲食店を買収する場合も地方より選択肢は増えるので、買収できる店を探しやすいのです。
東京都で飲食店を開業する際の注意点
東京は飲食店の出店には非常に適している場所ですが、一方で注意すべきポイントもあります。
自己資金は最低300万円?
個人で開業するために必要な資金は、以下のような用途で使います。
・家賃や保証金などの物件取得費用
・内装や道具などにかかる設備費
・運転資金
・オーナー自身の生活費 など
これらの費用のうち、自己資金は最低でも300万円用意すれば良いと言われています。飲食店の出店には自己資金を3割は用意し、それ以外を融資等の借入で資金調達します。日本政策金融公庫のデータでは開業資金の平均は1,066万円のため、自己資金3割にあたる約300万円が必要であるという意味です。
10坪程度の小規模な飲食店の独立開業で、居抜き物件などを利用すればこの金額で済みますが、20-30坪あたりの中規模な飲食店の開業を目指すのであれば、もっと開業資金や融資などが必要になります。スケルトンから内装を作る場合、坪50万~100万程度かかることもありますので、内装会社との事前のすり合わせが肝心です。
都内は家賃が高い
東京で開業すると集客は見込めますが、土地の価格が高いので家賃が高い側面もあります。固定費の家賃が高すぎると収益を圧迫してしまいかねません。それに見合った、売上を出す工夫が必要です。
都内は人件費も高い
家賃と同様、東京は人件費も高く、最低賃金は時給1013円と定められています。同じ関東圏である神奈川県の1012円、埼玉県の928円、群馬県の837円よりも高く設定されています。(いずれも2021年1月末時点)
人件費は飲食店にかかるコストの代表です。出店に当たっては、スタッフの数や稼働時間も計算した上で、収益を出せるか検討する必要があります。
東京に飲食店を開業する方法
ここまで東京で出店するメリットと注意点を解説しました。次に、飲食店を開業する主な方法を3つ紹介します。
1. 独立開業
オーナー自ら新しく事業や商売を始める「独立開業」は、飲食店出店の王道です。
独立開業のメリット
独立開業のいちばん大きなメリットは、全ての裁量権がオーナーにあり、自由度が高いことです。オーナーの思い描くコンセプトで、独自のスタイルの飲食店を開業できます。また、フランチャイズ店のように、親企業へロイヤリティの支払いなどをする必要がなく、コストを削減できる点も魅力でしょう。
独立開業のデメリット
独立開業のデメリットとしては、自由度が高いことと引き換えに、自分で責任を背負う必要があることです。
飲食店の開店方法で一般的とされるフランチャイズの場合、親企業から経営ノウハウの提供や、サポートを受けられます。
しかし、自分の力で開業を行う場合、ノウハウの共有やサポートを受けられないため、自分で情報を収集しなければなりません。経営の自由を手に入れる代わりに、自身で全ての責任を負う覚悟が必要となるのです。
独立開業に必要な資金
先の見出し、「自己資金は最低300万円?」で解説した項目の費用がかかります。費用は出店する地域などの条件によって変わります。
2.フランチャイズ加盟
二つ目は、フランチャイズへの加盟で開業する方法です。加盟店になることで、フランチャイズ本部よりブランド、メニュー、経営ノウハウ等の使用権をもらい、開業できます。
フランチャイズ加盟のメリット
フランチャイズへ加盟して開業するメリットは、フランチャイズ本部のブランド力やサポート等の恩恵を受けられることでしょう。
独立開業で一から開店すると、右も左もわからない状態で経営を始めなくてはなりません。一方、フランチャイズに加盟すれば、フランチャイズ本部の知名度を使って開業ができるので集客がしやすく、お客様に安心を感じてもらいやすくなります。
フランチャイズ加盟のデメリット
フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ本部のブランドやノウハウの恩恵を受けることができる一方、ロイヤリティを支払わなければなりません。
ロイヤリティの額は毎月定額もあれば、売上で変動する歩合もあるため、契約する際に確認が必要です。ロイヤリティは店舗にとっては支出であるため、利益が減少します。しかし、一方で、ブランド名やノウハウに対する使用料である考え方もできるため、初めから割り切るべきでしょう。
また、フランチャイズに加盟すると、独立開業での経営よりもオーナーの自由度が低くなることの注意が必要です。
フランチャイズ本部の方針・商品・マニュアルに従う必要があるため、オーナー自身の意見が反映されることはほとんどないと考えるべきでしょう。
また、出店地域に自由がない点も注意しましょう。開業したい地域にすでに同じフランチャイズの店舗があれば、別の地域を探さなくてはいけません。
フランチャイズ加盟に必要な資金
フランチャイズに加盟して開業する場合、厨房機器・什器費、広告費、研修費、外装費、設備費、不動産取得費、運転資金、生活費などの基本的なコストに加え、加盟金や保証金を支払う必要があります。そのため、独立開業よりも開業資金は多く必要になるでしょう。
3.M&A
M&Aによって飲食店を開業する方法もあります。飲食店を経営している企業の買収を行い、開業するのです。
M&Aのメリット
M&Aのメリットは、すでに営業している飲食店を買収するため、内装や設備をそのまま利用することができます。
既存顧客や従業員も引き継げるので、開業当初の集客や従業員育成の負担がなく、円滑にビジネスを始めやすいメリットもあります。
でも、何よりも最大のメリットは、対象店舗の売上や利益の状況を把握した上で、M&Aをするか判断ができるため、計算しやすい点でしょう。新規開業しても思い描いたようにいかないことは多々ありますが、既に営業している店舗の状況を見て判断出来れば、大きく誤ることはありませんね。
M&Aのデメリット
一方、既存の飲食店を引き継ぐ場合には注意点もあります。
最も気にすべき点は従業員についてです。従前通りの店の状況を続けていくためには同様な運営方法で行っていく必要がありますが、オーナーチェンジに伴い従業員が離反する可能性があり、運営がままならなくなるケースがあります。従業員には引き続き活躍してもらうべく、きちんと向き合って対処していく必要があるでしょう。
また、トレンドが変わり、急激に売上が減少していく可能性があるので、新しいアイデアや工夫によって抜本的な改革をしなければならないケースもあります。
M&Aに必要な資金
M&Aに必要な資金は、その企業や店の価値をどう算出するかによって変わります。また、仲介会社に依頼することが一般的であるため、その仲介手数料や報酬も必要です。
企業評価額の算出方法は、こちらの記事をご覧ください。
【企業評価額の算出方法】M&Aでの企業価値評価の手法
仲介手数料・報酬は、こちらの記事をご覧ください。
M&Aの報酬はいくら?仲介会社に支払う手数料の種類と相場を解説
M&A案件の探し方
M&Aは非常に複雑な取引であるため、M&Aに強い仲介会社の助けを得ることを強くおすすめします。
東京での飲食店のM&Aを検討するならば、M&A propertiesへお問い合わせください。飲食店専門のM&A仲介会社であるM&A propertiesは飲食企業など4万社以上のネットワークがあり、あなたと相手方との早期の出会いを実現できます。10年以上にものぼる豊富な実績でM&A成功戦略を立案します。成約(決済)するまで手数料はゼロですので、ぜひ一度ご相談ください。
東京都で開業するなら知っておきたい相談先や融資・助成金制度
東京都で飲食店を開業するときに活用したい、相談先や融資・助成金制度をまとめました。
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起業・創業に関する相談受付・イベント・セミナーなど、さまざまな開業を支援するサービスを行っています。
【相談先】東京商工会議所
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【相談先】事業引継ぎ支援センター
中小企業のM&A支援経験が豊富なアドバイザーが、M&Aに関するアドバイスを行います。最寄りのセンターを検索してみましょう。
【相談先】日本政策金融公庫
民間金融機関の取り組みを補完し、企業を資金面からサポートする政策金融機関です。融資を検討される方は、ここにも相談すると良いでしょう。
【融資制度】女性・若者・シニア創業サポート事業
東京都が実施する創業・女性・若者・シニアの起業者向けの支援サービスです。
【融資制度】東京都中小企業制度融資『創業』
都内中小企業へ、東京都・東京信用保証協会・金融機関の三者が資金供給をする制度です。 新規創業の資金、創業後の事業資金を融資します。
【助成金制度】創業助成金(東京都中小企業振興公社)
都内での創業予者・創業5年未満の中小企業などに助成する制度です。東京都での操業モデルケースを発掘するなどして、創業にチャレンジする機運を醸成する目的があります。
【助成金制度】事業承継支援助成金
事業承継や経営改善の過程で外部専門家に委託した場合の経費の一部を助成する制度です。
まとめ
東京での飲食店開業は家賃や人件費が高いデメリットはあるものの、集客のしやすさや開業にあたっての選択肢が多いなど、大きなメリットがあります。また、東京都ならではの開業に役立つサービス・融資・助成金を受けられるチャンスがある点も、心強いのではないでしょうか。
開業するには独立開業・フランチャイズへの加盟・M&Aでの飲食店買収がありますが、あなたの状況に合わせてどれを選択するか吟味してください。M&Aでの開業は今ある店舗や従業員・取引先などを活用できる、メリットのある開業方法です。興味がある方は、ぜひ、M&A Propertiesへお問い合わせください。