会社の解散・清算の流れと手続きを紹介!

会社の解散とは、会社の事業を停止し、法人格を消滅させることです。会社の解散において、注意したいのが、会社を解散しても法人格がすぐに消滅するわけではないということです。 清算手続きという会社が抱える債権や債務の整理を経て、解散ができます。ただし、合併により会社が消滅する場合や、裁判所に申し立てた破産手続きが開始される場合は除かれます。 このように、会社の解散には様々なルールや手続きがあり、スムーズに進めるために知っておくべき事柄が数多く存在します。この記事では、会社の解散や清算の流れや手続きを解説します。


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会社法で定められている解散事由

会社を解散するには、会社法471条と472条に定められた7つの解散事由に該当していなければなりません。まずは、7つの解散事由について確認しておきましょう。

1.定款で定めていた存続期間の満了

会社の定款に「会社の存続期間を〇年とする」とあらかじめ定めており、その存続期間を満了したときです。(法471条1号)

2.定款で定めていた解散事由の発生

会社の定款に「〇〇を達成した時点で会社を解散する」とあらかじめ解散事由を定めており、その事由が発生したときです。(法471条2号)

3.株主総会の決議

会社の定款に解散事由の定めがない場合でも、株主総会によって決まったときには解散となります。株主の利益を犯す可能性もあるため、特別決議(法309条2項11号)が必要です。(法471条3号)

4.合併によって会社が消滅する

買収によって他社に合併されることになり、会社が消滅するときです。(法471条4号)

5.破産手続開始の決定

裁判所へ申し立てたことにより、破産手続きが開始されるとき(破産法15条、30条)です。(法471条5号)

6.裁判所による解散命令、解散を命ずる判決

裁判所からの命令や判決による事由です。(法471条6号)

解散命令

会社の設立や運営に不当な目的が認められるなどの一定の事由により、裁判所から解散命令を受けることです。法務大臣もしくは利害関係者からの申立によって、裁判所が会社の解散を命じます(法824条1項)。

解散判決

会社の運営が明らかに困難な状態にあり、業績回復の見込みがないほどの損害を生じているなど一定の事由により、裁判所から解散命令を受けること(法833条1項)です。解散判決の請求は株主により行われます。

休眠会社のみなし解散

12年間にわたって登記の変更をしていない休眠会社には、法務大臣が官報により公告を行います。その後、定められた期間を経過しても届出もしくは登記が行われない場合、解散したものとみなされます。(法472条)

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【6つのステップ】会社解散~清算までの流れ・手続き

ここでは株主総会の決議を解散事由とする場合を想定し、会社の解散から清算に至るまでの流れや手続きについてお伝えしましょう。

ステップ1. 会社の解散事由が発生

株主総会で会社の解散が決議されると、会社の解散事由が発生します。

株主総会の決議による解散事由には、株主による特別決議が必要です。特別決議では、発行済株式のうち過半数を有する株主が出席し、そのうち3分の2以上の賛成が求められます。

また、この特別決議と同時に、清算人も選出されるのが一般的です。

清算人とは、会社を解散後に清算業務を担う人のことです。清算人の選任は普通決議により行われ、株主の過半数の賛成をもって決定されます。

清算人は就任と同時に会社の資産を調査し、財産目録と賃借対照表を作成します。作成された書類は株主総会の承認を経て会社に保管されます。

ステップ2. 解散、清算人の登記

会社の解散事由が発生したら、次に、会社を管轄する法務局において解散と清算人選任の登記を行います。これらの登記には期限があり、解散事由が発生した日から2週間以内と決まっているので注意しましょう。

登記には、解散を決議した株主総会の議事録や定款が必要です。また、解散の登記に3万円、清算人選任の登記に9,000円、計3万9,000円の登録免許税が課せられます。

ステップ3. 公的機関に会社解散の届出

法務局への登記を終えたら、都道府県税事務所や市区町村役場、社会保険事務所といった関係機関に、解散の届出が必要です。届出の際には、異動届出書と登記事項証明書を提出します。

また、清算人は会社の解散を債権者に知らせるとともに、2ヶ月以上の期間を目安に、債権を申し出る旨を官報に公告する必要があります。会社で把握している債権者には、個別に債権の申出を催告しなければなりません。

ステップ4. 資産の処分または売却

会社を解散することになったとき、ただ事業を停止するだけでは会社が消滅することはありません。なぜなら、会社に残る資産や負債がそのまま残されてしまうからです。

そこで清算人は、不動産や有価証券、設備を始めとする会社の財産から換金できるものは速やかに処分し、現金化を進めます。

売掛金や貸付金が残っている場合には、債権の回収にも努めましょう。

ステップ5. 解散、清算人は債務を清算

清算人は会社の資産や設備を売却したり債権の回収を行なったりするなどして、集めた現金で債務を支払います。

清算人による債務整理が終われば、会社は解散となります。

ステップ6. 残ったお金(財産)は株主に分配

債務のほか、税金や社会保険料などの支払いを終えてもなお、会社の財産が残る場合には、解散する会社の出資者である株主に財産を分配します。

最後に清算結了登記をすれば清算事務は終了となり、会社は消滅します。清算結了登記には登録免許税2,000円が課せられます。

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すべての債務が清算できなかった場合

会社の解散を目指していても、債務が清算できずに手続きが進まないことがあります。この項では、清算事務が滞った際の流れや対処法を紹介していきます。

倒産手続きに切り替わる

会社は、負債を残したままでは解散できません。そのため、清算人が会社の財産すべてを現金化しても債務を支払いきれないときには、通常の清算手続きは行えないのです。

解散手続きのなかで債務超過が明らかになれば、清算人は清算から倒産へと手続きを切り替えることになります。

「特別清算」または「破産」となる

倒産手続きには民事再生や会社更生といった会社を再建する手続きもありますが、会社の消滅を目的とする場合は、特別清算もしくは破産を選びます。特別清算と破産のどちらかを選ぶには、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。

特別清算株式会社のみ利用可能。会社法に基づく手続きで、実際は債務超過に陥っていなくても利用できるなど適用要件は緩やか。株主総会で選任された清算人が手続きを進めます。債権者の同意が必要

※特別清算においては、債権者集会に「出席した議決権者の過半数の同意」かつ「議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意」が必要という内容の記載をお願いします

破産個人も含めて利用可能。破産法に基づく手続きで、裁判所に選任された弁護士が破産管財人を務める。債権者の同意は不要

このように、破産のほうがやや厳格に手続きが進められるものの、債権者の同意が必要ないというのが大きなメリットです。

一方の特別清算は、債権者の同意が必要ですが、清算人によって柔軟に手続きが進められます。ただし、株式会社のみと対象が限られることがネックになるケースも珍しくないようです。

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まとめ

会社の解散は、ただ事業を停止するだけではなく、法律に定められたさまざまな手続きを進めていく必要があります。

その流れは、会社の解散事由の発生とともに会社を解散し、株主総会の選任した清算人が清算事務を行い、債務の支払いを終えたら結了登記をするというものです。ただし、会社が債務超過に陥っていることが判明すれば、倒産手続きに移行しなければなりません。

とはいえ、会社の解散以外にも、最良の選択が残されている可能性があります。例えば、他社への売却や吸収合併も選択肢のひとつなるでしょう。

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