【飲食店経営者向け】M&Aにおけるシナジー効果について

M&Aについて関心があれば、「シナジー効果」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。シナジー効果は、M&Aの代表的なメリットのひとつです。この記事では、飲食店のM&Aにおける具体的なシナジー効果について紹介をします。


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経営の相乗効果!飲食店M&Aのシナジー効果とは?

一般的に、シナジー効果とは「2つ以上のものが組み合わさることで1+1以上の相乗効果を生む」という現象を指します。ここからは、代表的な7つのシナジー効果について紹介するので、M&Aを検討する際の参考にしてください。

①スケールメリット

飲食店のM&Aを行うことにより、グループ全体での仕入額は増加します。これがスケールメリットです。つまり、仕入れる金額が大きければ大きいほど、サプライヤーへの交渉力が強まるため、仕入れ単価を割り引ける可能性が高まるでしょう。

仕入れるものは、ドリンク類など一般的なものであればあるほど、スケールメリットの効果はより高まります。特に、ビール会社との契約は金額が大きいため、ビールを取り扱っている場合は事前によく検討しておきましょう。

また、買収先がより安価な仕入先と取引がある場合、自社の飲食店もそちらへ切り替えることによりコスト削減ができます。

そのほか、自社の経営する飲食店グループの規模が拡大すれば、より財務基盤は大きくなるため、銀行からの借入交渉で優位に働きます。加えて認知度も高まるため、採用面においてもスケールメリットを享受できることがあるでしょう。

②顧客基盤の獲得

今後の事業エリア拡大を行う際、ゼロからお客様を集客するのと、M&Aにより顧客基盤を獲得することを比較した場合、そのスピードには大きな違いが生じます。

たとえば、「東京で居酒屋を経営しているが、自社ブランドを大阪でも展開したい」と考えているとします。この場合は大阪にある飲食企業を買収し、その地盤を利用して自社ブランドを出店できるでしょう。買収先のファンとなっているお客様であれば、新たに出店した店舗へ通ってもらえる可能性があるので、一から店作りを始めるよりも早く集客できます。

また、自社の飲食店と距離が近い他社を買収した場合、相互送客が可能となるでしょう。飲食店経営にはどうしても場所という制限が生じるものの、箱を増やすことにより、一方が満席となってしまっても買収先の飲食店へ送客ができます。

③従業員のアサイン効率化

従業員をアサインする際、A店でなく、買収した先のB店へ派遣するといった柔軟な対応が可能となります。人員が不足している店に適切に配置できれば、効率的な従業員マネジメントができるようになり、人件費の効率が上がる可能性があります。

さらに買収先が自社よりも効率性の高いオペレーションノウハウを有している場合、自社にも適用することにより、相乗効果が見込まれます。

その他、経理や総務、人事といったバックオフィス部門を統合することで、本業以外の管理コストを抑えることもできます。

④マーケティングの効率性向上

買収した飲食店と共同でマーケティングを行うことにより、今までバラバラに行っていたときよりも効率的に行うことができます。たとえば、WEBマーケティングを実施する場合、自社飲食店と買収した飲食店を同時にマーケティングできれば、費用を削減することができます。

また、買収先がマーケティングに長けているのであれば、自社に応用することにより、自社のマーケティング能力も向上させることができるでしょう。

⑤メニューの改良など技術面の強化

買収先と自社の飲食店のメニュー開発を共同で行う、共同研修を行うなど、お互いのノウハウを交換することで、新しいものが生まれる可能性があります。買収先の技術が低い場合は、自社の従業員を派遣して料理のレシピを改良するなどで、買収先飲食店の本質的な価値向上を見込むことができるでしょう。

⑥店舗開発コストの削減

新規出店をする場合、どこに出店すべきかの調査、賃貸借契約締結、内装工事などが必要で、時間とコストがかかります。一方、M&Aの場合はすでにある店舗を買収するため上記の時間とコストを節約できます。

また、買収先に不動産会社や内装工事会社に特別なコネクションなどがある場合は、自社が同じような地域に新規出店する場合にコスト削減できる可能性もあります。

⑦異業種とのシナジー効果について

最近では、「飲食店+異業種」といった業態も見かけるようになりました。具体的には、もともとは美容院を経営していたがM&Aによりレストランを買収し経営しているケースです。

美容院のお客様にレストランを紹介する、レストランのお客様を逆に美容院に紹介する、といった一見すると全くシナジー効果がないように思える業界の掛け合わせでも、送客シナジーやお客様との信頼度の醸成といった効果があります。

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シナジーが生じないM&Aには注意が必要

飲食店を買収する際は、前述したようなシナジー効果を創出できる方が望ましいのは当然です。シナジー効果が生じないM&Aを実施した場合、投資回収期間が延びてしまう可能性があるからです。

また、事前の計画ではシナジー創出を見込んでいたものの、M&A後にうまくシナジー効果が出せない場合もあります。たとえば、”買収先の経営者がシナジー創出に協力してくれない”、”取引先の切り替えがうまくできず思ったよりもコストダウンできない”、”飲食店の業態が異なりすぎてオペレーションの効率化を図れない”ことが起こりえます。

そのため、M&A実務上はシナジー効果が期待できる買収先を選定すべきですが、過度な期待は禁物です。原則としては、買収した事業単体の収支のみで投資回収が図れる計画を立てておくようにしましょう。

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飲食店同士のシナジー効果を目指すならM&A Propertiesへ相談

飲食店のM&Aを成功させるにはシナジー効果を見越しつつ、買収した事業だけでも投資回収ができる企業を選定しなくてはなりません。つまり、自社をより高め、成功に導く買収先を選ぶために必要なのは勘やセンスではなく、データに基づいた冷静な分析です。

そのため、M&Aによる事業拡大を目指す場合には、実績豊富なM&A仲介会社に依頼をするのが安全といえます。M&A仲介会社はさまざまありますが、会社ごとにサポートしてくれる内容や専門性などに違いがあるため、仲介会社を選ぶ際はそれぞれのサービスや強みをよく確認しておきましょう。

M&A仲介会社と契約を結ぶ前に、しっかりと飲食店のM&Aに関するノウハウを有しているかどうかは確認しておくことが大切です。

当社M&A Propertiesなら、創業以来、飲食店に特化したM&Aサービスを提供しており、飲食業における取り扱い総額は10年間で450億円という豊富な実績があります。業態の異なる飲食店同士のM&Aにおいても、シナジー効果を狙うための的確なアドバイスを行っています。

飲食店のM&Aに熟知した経験豊富な専門コンサルタントがお話を伺いますので、お気軽にご相談ください

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まとめ

本記事で紹介したように、飲食店を対象としたM&Aにはさまざまなシナジー効果があります。スケールメリットや共同マーケティングなどは、飲食店経営における代表的な相乗効果だといえるでしょう。

自社の目的に合ったシナジー効果を実現するためにも、豊富な知識と実績を兼ね備えた専門性の高い仲介会社にサポートを依頼するのがおすすめです。