M&Aのソーシングの役割
M&Aにおけるソーシングは最初に行われるプロセスであり、M&Aの準備や相手探しを行うため非常に重要な役割を担っています。
詳しい内容は後述しますが、M&Aのソーシングで行われるプロセスは「ターゲット企業の選定」と「ターゲット企業との交渉」の2段階に分けることができます。これらの作業はM&Aを検討して最初の段階で行いますが、自分の希望する条件に合った相手企業を選定することは重要であるため、慎重かつ丁寧ていねいに行う必要があります。
自分が満足できる相手企業を選定するには、M&Aを行う目的を徹底的に分析し、期待する効果をもたらしてくれる相手企業を見つけなければなりません。
ここで重要なことは、ソーシングは相手企業の選定や交渉を行うと共に、自社のことを見つめ直すという役割もあるということのです。M&Aを次の段階にスムーズに進めるためには、欠かすことのできないプロセスだといえるでしょう。
M&Aのソーシングで行うこと
前述したように、M&Aのソーシングでは、M&Aを行う相手である「ターゲット企業の選定」と「ターゲット企業との交渉」という2つのプロセスがあります。
ターゲット企業の選定
ターゲット企業の選定では、M&Aを行う相手となる企業の候補を選ぶ段階から始まります。自社がM&Aに期待する効果や目的を明確にしたうえで、仲介会社や専門家と共に選定を行うことが一般的です。
M&Aは「企業同士のお見合いである」といわれることもあるように、相手の企業がどのような企業なのか、自社とのM&Aに適した企業なのかということは徹底的に吟味する必要があります。
自社の希望や条件を満たしてくれるような企業をリストにして絞り込んでいくこのプロセスはM&Aの成功を左右する重要なプロセスだといえるでしょう。
ターゲット企業との交渉
ターゲット企業の選定がある程度進んで候補企業が絞り込めると、相手と交渉を行うフェーズに突入します。
M&A仲介会社や専門家が候補先の企業と自社の間を取り持ち、M&Aがスムーズに進むように交渉を行います。それぞれの企業の希望や条件をすり合わせ、合意へと導くのです。
その後、実現可能性が高いと考えられる企業に対しては、会社代表同士が直接交渉を行います。
M&Aのソーシングの具体的な作業内容
ここまでは、M&Aのソーシングの大まかな流れを解説しました。
次は、それぞれのプロセスにおいて、どのような作業が行われるのかを具体的に紹介します。
自社の強みや事業計画を見直す
最初に行うべきことは、「自社の強みや事業計画を見直す」という作業です。
M&Aのソーシングでターゲット企業の選定をするにあたって、どのような企業を選ぶのかという基準が必要です。選定基準を明確にするには、M&Aを行う目的や期待する効果を明確にしなければなりません。
そのため、自社の強みや課題を認識した上で現在の経営状態や将来の事業計画などを見直を行いし、M&A後のイメージを具体的にする必要があります。
自社を見つめ直すことで、「どのようなターゲット企業であればM&Aの効果を大きく発揮できるか」を整理できるので、計画の骨子ともいえる重要な作業だといえるでしょう。
なお、売却する側にとっては、オーナーが退陣する場合、その後は買収企業に任せたとなると思いますが、M&Aの効果が大きく発揮できる会社に譲渡した方が、その後利益が大きくなるため、売却価格が高くなる可能性がありますし、何といっても、残してきた従業員や取引先のことを考えると、売却した後も会社が順調に伸びていく方が望ましいでしょう。
ターゲット企業の選定基準を作成
自社の経営状態を整理し、M&Aを行う上うえでの軸が明確になった後は、ターゲット企業の選定基準を作成します。この作業は「ターゲットスクリーニング」とも呼ばれます。
選定基準を作成する際には、ターゲット企業の業態、業種、ビジネスモデルなどのイメージを明確にしておく必要があります。また、M&Aにかかる買収資金の額についても基準設定の軸になるでしょう。
ロングリスト・ショートリストを作成
企業選定の基準が完成したら、「ロングリスト」と「ショートリスト」と呼ばれる企業リストを作成します。
ロングリストとは、選定基準に従って選定された企業が記載されているリストを指します。仲介会社に依頼をして選定することが一般的です。
ショートリストとは、ロングリストにてリストアップされた企業から、実現可能性が高そうな企業を絞り込んで記載したリストです。10社前後にまで絞り込みます。
交渉開始
ショートリストでターゲット企業の絞り込みが完了したら、候補となる企業との交渉に移ります。
限られた企業情報のみが記載された「ノンネームシート」と呼ばれる書類を用いて、仲介会社が候補先企業に打診を行います。ノンネームシートを用いる理由は、M&Aが始動する前に自社が特定されることを防ぐためです。
打診の結果、反応があった候補先については、秘密保持誓約書を締結の上、情報が開示され、交渉が一歩前進することになります。
M&Aのソーシングに失敗しないために必要なこと
ここまでは、M&Aのソーシングは非常に重要なプロセスであるということを説明しました。
しかしいくら慎重に計画していても、ソーシングに失敗してしまうケースは多くあります。
では、どうすればソーシングの失敗を回避し、成功できるのでしょうか。そのポイントを紹介します。
M&A仲介会社へ依頼する
もしもソーシングで不安があるなら、M&Aの専門家である仲介会社へ依頼するのがおすすめです。M&A仲介会社にはそれぞれの得意分野があるので、自社の目的とマッチした強みを持つ仲介会社を探しましょう。
飲食業界のM&Aを検討中であれば、M&A Propertiesにお任せください。M&A Propertiesには、創業以来、飲食業における取扱総額が10年間で450億円という、豊富な実績があります。
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M&Aの目的・希望条件の明確化
M&Aの目的を明確にし、その目的を達成するためにはどのような条件を満たす必要があるのかを掘り下げることも重要です。目的が明確であるほどほど、仲介会社などのM&Aコンサルタントがソーシングを行いやすくなるでしょう。
結果として、目的や条件にあったターゲット企業を提案しやすくなるため、成功率が高まるのです。
自社の情報整理
自社の情報を整理しておくことで、ターゲット企業が交渉可否の判断をスムーズに行うことができるでしょう。ミスマッチ防止や交渉時間短縮のためにも重要な作業です。
M&Aにおいて売手企業と買手企業が互いに信頼関係を構築するには、売手企業における情報整理はもちろんのこと、買手企業も自社情報を整理して開示する準備を整えるべきでしょう。
しかし、相手先へ開示する資料には注意が必要です。特に売手企業は自社の情報を買手企業に開示し、その情報を基に買手企業は自社の目的が叶えられるのか、価格をいくらにするのか等を検討するため、不正確な資料は不信感を抱かせる原因となるので、情報整理は慎重に行いましょう。
必要な情報は、「自社事業の概要書」や「将来性に関する情報」「M&Aを検討するに至った経緯」「自社の強みや弱み」「財務状況を表す数値上のデータ」「賃貸借情報」「従業員情報」などが挙げられます。
情報漏洩防止・秘密厳守
M&Aを検討しているという情報が外部や社員に漏れると、自社に対する不信感や取引先との関係悪化など、トラブルに発展する可能性があります。それを防ぐためにも、M&Aでは、まずはM&A仲介会社と「秘密保持契約」を締結し、最終局面に到達するまで秘密裏に行います。
買収候補先のリストアップ
多くの候補先を顧客として抱えているM&A仲介会社ですが、常に希望条件に合う案件があるとは限りません。自社の視点から見て、具体的に候補となり得る企業をピックアップしておくことも有効だといえるでしょう。M&A仲介会社にとっても、候補先選定の参考資料になります。
M&A業界のルールに従う
業界ごとに常識や慣習などがあるように、M&A業界にもルールがあります。それに従わず、相手先の情報を強引に引き出そうとしたり、M&Aコンサルタントとのコミュニケーションを怠ったりするようでは、成功は遠のくでしょう。業界のルールを尊重し、それに則ることが大切です。
まとめ
ソーシングはM&Aにおける最初のプロセスであり、ターゲット企業の選定や交渉など、多くの重要な作業を行います。
これらの作業は専門的な知識が必要となる場合が多いため、専門家へサポートを依頼するのが基本です。M&A専門の仲介会社に相談することで、効率的かつ着実なM&Aを行うことができるでしょう。
M&A仲介会社へ依頼する
ソーシングはM&Aにおける最初のプロセスであり、ターゲット企業の選定や交渉など、多くの重要な作業を行います。
これらの作業は専門的な知識が必要となる場合が多いため、もしもソーシングで不安があるなら、M&Aの専門家である仲介会社へ依頼するのがおすすめです。M&A仲介会社にはそれぞれの得意分野があるので、自社の目的とマッチした強みを持つ仲介会社を探しましょう。
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