飲食店の事業拡大ならM&Aが最適!基本的な流れと仕組み

飲食店の事業拡大を狙う場合は、M&Aを検討しましょう。M&Aの実施により、売り手側の飲食店にあるノウハウや人材、設備、取引先などを取り込むことができます。 M&Aを行う場合は、その流れを把握しておきましょう。また、各ステップで行うことを確認しておき、万全の準備を整えてからM&Aを進めていくことが大切です。この記事では、飲食店の事業拡大におけるM&Aの流れと仕組みについて詳しく解説します。


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飲食店におけるM&Aの基本的な流れ

飲食店におけるM&Aの流れについて詳しくみていきましょう。

1:検討・事前準備

まずは、M&Aを行う目的について、事前に十分な検討と準備を行いましょう。 M&Aを行うことで得られるメリットや将来の展望など、万全な準備が大切です。目的が不明確なままM&Aを進めると、最適な売り手とマッチングすることができません。

M&A後に、どのように業績を伸ばしていくのか、そのためにどのような飲食店を買収すべきか考えましょう。飲食店の売り上げ規模やジャンル、従業員数などを踏まえ、M&A後の計画を立ててください。この段階でM&Aのサポートを行ってくれる仲介会社に相談することで、より適切な判断が行えるようになります。

2:M&Aコンサルタントの選定

M&Aを成功させるには、コンサルタントのサポートが欠かせません。自分達だけでM&Aを進めようとすると、売り手を選定する段階でつまずいてしまうでしょう。 M&Aのコンサルタントであれば、知識と経験から最適な売り手を選出してくれます。

ただし、どのようなM&Aコンサルタントでも良いわけではありません。質の高いサポートができる経験豊富なコンサルタントを選ばなければ、理想的なM&Aは実現しないでしょう。

実績が豊富であれば、それだけさまざまなパターンのM&Aをサポートしてきているため、イレギュラーへの対応力も優れています。 また、有利な条件でM&Aを進めるための交渉術も持っているため、より理想的なM&Aにつながります。

M&A Propertiesは、飲食業界を中心に、年間約100件もの成約実績があります。その実績に裏打ちされた総合的なサポートが可能なため、求める形の理想的なM&Aを実現することができるでしょう。

3:打診

M&Aコンサルタントと話し合い、買収先候補を選出します。なお、買収側はM&Aにおいて決して強い立場とは言えません。売り手市場であるため、買収を検討している競合は非常に多いのです。だからこそ、M&Aコンサルタントのサポートが重要となります。

優秀なコンサルタントであれば、自社の状況や将来の展望を踏まえ、最適な売り手を選出できます。経営方針や売上目標など、コンサルタントに希望を伝えることが大切です。

4:売り手側との交渉

売り手候補を選出したら、売り手側の経営者と直接交渉を行います。お互いの希望や条件を伝え合うことで、M&Aの成立に向けて話を進めていきます。
M&Aの成立に向けて話を進めていく際には、売却価格や従業員の処遇など、詳細な条件をすり合わせていきます。 お互いの意見が食い違っていたり、譲れない条件のレベルが高すぎたりすると、交渉が難航するでしょう。妥協点を見つけ、お互いが納得できる形で進めていくことが大切です。

M&Aの詳細な条件が確定すれば、基本合意書を締結し、契約書の作成に入ります。

5:デューデリジェンスの実施

基本合意後は、「買収監査」を意味するデューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスでは、買収後に簿外債務などの問題が発覚しないように、法務や財務、税務のリスクを徹底的に調査します。M&Aにおいてデューデリジェンスは義務ではありませんが、買収後のトラブルを防ぐためにも、実施することが非常に重要です。 デューデリジェンスを行うのは、税理士や公認会計士などです。

これらの専門家に買い手が依頼して、売り手から受け取った資料から懸念されるリスクについて評価してもらいます。 大きな問題が発覚した場合は、それをどのように処理するか売り手と交渉が必要です。そのまま妥協して契約すると、大きなトラブルにつながりかねません。

6:最終契約

ここまでのステップで問題がなければ、最終譲渡契約書を締結します。これには法的効力があり、締結後に不当な理由で契約を取りやめる場合は、違約金が発生する場合があります。 そのため、最終譲渡契約書の内容に問題がないか、弁護士や税理士など専門家にチェックを依頼することが大切です。

最終譲渡契約書の締結後は、飲食店の引き渡しに移ります。売り手の責任者とM&Aアドバイザーが立ち会って、店舗の設備に問題がないか確認します。すべて問題なければ、実際に店舗を引き受けることになります。その後は、そのまま営業するのか、改修するのか十分な検討を行うこととなります。

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M&Aの成功事例

過去にさまざまな企業がM&Aを行っています。この項では、M&Aの有名な事例について紹介します。M&Aを行うべきか検討中の方は、これらの事例を参考にしてM&Aの成功イメージをつかんでみてください。

1:ソフトバンク

2004年、携帯電話サービスを中心に事業を展開する大手企業「ソフトバンク」が「日本テレコム」を買収しました。日本テレコムは、アメリカのリップルウッドに買収された過去があり、その際に抱えた負債を完済できていない状態であったため、「M&Aを行うことで、むしろソフトバンクは経営難に陥ってしまうのではないか?」という懸念がありました。

しかし、ソフトバンクが日本テレコムの組織の質を見直し、業務効率化や法人営業の活性化、コスト削減などさまざまな経営戦略を展開した結果、見事に日本テレコムの経営を再建したのです。ソフトバンクとしては、このような経験によりM&Aのノウハウを獲得できたため、次のM&Aの質が高まることが期待されています。

2:JT

1999年、タバコ産業で有名な「JT」がアメリカの「RJRI」を買収しました。M&Aの目的は、JTの海外進出です。 RJRIが持つノウハウや人材をすべて取得することで、スムーズな海外進出を成功させました。M&Aの目的を見事に達成したため、成功事例における模範案件といわれています。

M&A後は一時的に株価が下がりましたが、あらかじめ中期的な投資プランを作成していたため投資家からの評価を持ち直しました。

3:大正製薬

2016年、日本の大手製薬会社「大正製薬」が「ドクタープログラム株式会社」を買収しました。 その目的は、ドクタープログラムの強みである化粧品開発や販売ノウハウの取得です。大正製薬は、セルフメディケーション事業を強化するために、ドクタープログラムのノウハウを取得したいと考えていました。M&Aの結果、販路拡大やノウハウによる事業拡大が期待されています。

この事例もJTと同じく模範的な要素が大きく、M&Aのメリットを十分に享受しています。特定の事業を強化するためにM&Aを実施する企業は少なくありません。M&Aは、売り手にとっても、大手企業の傘下に入ることで従業員の雇用安定につながるため、お互いにメリットのある手法です。

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まとめ

飲食店のM&Aは、まず専門家に相談することから始めましょう。 検討段階でもいいので、信頼できるM&Aコンサルタントに相談することが大切です。 自分だけでM&Aを進める場合、見落としが発生してM&Aの質が低下します。売り手の選出も困難なため、実績豊富なM&Aコンサルタントに依頼することがスムーズな契約へとつながります。 また、M&Aによってシナジー効果を生みだし、企業のさらなる発展につながるように、慎重に売り手を選定しましょう。