【買い手向け】M&A実施前に必要な準備とは

「M&Aを利用して買収を検討しているが、何から始めれば良いのか分からない」こういったことに悩んでいる経営者は多いと思います。M&Aを成功させるためには、買い手側は実施前に入念な準備を行わなくてはなりません。 この記事では、M&Aに必要な事前準備について解説します。


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買い手側が行うM&Aの3つの準備

M&Aで買い手側が行う事前準備について、代表的な3点を紹介します。

買収すべきターゲットの選定

M&Aの売り案件は数多く存在します。憶測で候補を決めても、期待通りの成果を得ることは難しいといえるでしょう。そのため、M&Aでは最初に買収すべきターゲットの選定を行います。

M&Aを行う目的を明確にしておき、その目的にあったターゲット像を想定しておきます。M&Aの目的として、「地域拡大」「業態・ノウハウの獲得」「異業種参入」「優秀な人材の獲得」「顧客基盤の獲得」などがあります。こういった目的をもとに対象事業のペルソナを作成し、自社に必要なノウハウや売上増加目標にあった店舗規模など、買収すべきターゲットのイメージを整理しておくことが必要です。

買収予算を決める

買収すべきターゲットを選定した後は、自社が買収にいくらまでお金を払えるのか、予算を決めていきます。M&Aには不確実性が伴います。そのため、基本的には自社ビジネスに必要な運転資金を除いた、余裕資金を使うようにしましょう。

また、予算は買収自体の費用だけでない点に注意が必要です。M&Aには、仲介手数料、専門家に支払うデューデリジェンス費用、株価算定費用などの付随費用が必要であり、スキームによっては自社の税務にも影響を及ぼす場合があります。買収予算には、案件そのものの金額だけでなく、上記の付随費用も考慮しておきましょう。

M&A専門の仲介会社へ依頼

買収すべきターゲット、買収予算を決めた後は、M&A専門会社への依頼を行いましょう。ここで重要なことは、信頼できるM&A専門の仲介会社を選ぶことです。とはいえ、複数あるM&A仲介会社から、どうやって信頼できるところを選べば良いのでしょうか。

仲介会社を選ぶポイントとして、「過去にM&Aを手掛けた実績」や「その会社ならではの強み」が挙げられます。ただし、M&A専門会社は成功報酬制を採用している場合が多く、問い合わせをしてみてもM&Aのメリットばかり話してきて、デメリットはなかなか開示してくれない可能性もあります。

そのため、信頼できるM&A専門会社なのかどうかは、自分の目できちんと見極める必要があるといえるでしょう。複数のM&A専門会社を比較して、それぞれの費用、強み、実績、担当者の経歴などは、問い合わせ前にホームページなどで確認するようにしましょう。

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M&A成功のために心がけておくこと

M&Aの準備と並行して、M&Aの知識や情報についても事前に学んでおくことが大切です。この項では、M&A成功のために心がけておくべきことについて紹介します。

スピーディな交渉を心がける

M&Aはスピード勝負です。時間のかかる検討や交渉を続けてしまうなど、スケジュールが明確でないM&Aは、成功する確率が低くなります。

また、買収先が明確となっている場合でも、対応のスピードが遅いと他の競合企業に先を越されてしまう可能性もあります。そのため、買収候補先となる店舗には、できる限り早い段階からアプローチをかけることが、M&Aの成功確率を高めることにつながると覚えておきましょう。

必要資金は事前に準備しておく

銀行融資などで買収資金を調達する場合は、本格的な交渉が始まる前に借入の相談をしておくことが重要です。もしも契約前に資金がなく、契約の実行条件に「借入が実行されること」といったことが含まれている場合、売り手としてもリスクを感じてしまうでしょう。

買い手側が銀行と交渉している間に競合他社がオファーを出してしまった場合、売り手としては安い価格であっても競合他社と話を進めてしまうかもしれません。そういった理由からも、突発的な案件でも素早く借入を実行できるよう、自社のメインバンクとは良い関係を築いておきたいところです。

適切な買収価格レンジは事前に把握しておく

M&Aの買い手において、気にするべきポイントは高値掴みをしないことです。いかに良い案件であっても、割高すぎてしまっては投資金額を回収することが困難となります。

高値掴み防止に効果的なのは、事前に適切な買収価格レンジを把握しておくことです。上場会社のEBITDAマルチプルやPERを確認していればいいわけではありません。「狙っている飲食店の案件が最近ではどのくらいの価格で取引されているのか」という具体的な情報が必要なのです。

経済情勢によっても価格レンジは常に変動しています。そのような情報に精通している、取扱件数の多いM&A専門会社に事前確認しておくことも大切です。

異業種参入の場合は業界知識を頭に入れておく

新規事業として異業種へ参入しようとしている場合は、その異業種の業界知識を頭に入れておくことが大切です。市場、競合、ビジネスモデル、業界特有のリスクなど、必要な知識は多岐にわたります。

また、本やネットだけでは分かる情報にも限りがあるため、友人の経営者に質問する、専門家を雇うといったことも必要です。情報の確度を高めるため、なるべく情報は足で手に入れるようにしましょう。

機密情報の厳守

M&Aは重要な経営情報のやり取りが生じるため、機密情報の厳守は必須です。M&A専門会社とのやり取りがスタートする前には、必ず秘密保持契約書の締結が求められます。

万が一、秘密保持契約書に従わず売り手の情報を外部に漏洩してしまった場合は、損害賠償が発生するリスクがあります。

また、実際には買収することなく冷やかし目的で、M&A仲介会社とコミュニケーションをとることもおすすめできません。M&A仲介会社は買い手としてふさわしい方なのか、ヒアリングを行った後に取引を開始することが通常です。
プロの目線で質問が飛んでくるため、「この人は情報を取りに来ているだけだな」、ということはすぐに分かります。一度、そのようなレッテルを張られてしまうといざ本気で検討を進めたいとなった場合も今後の取引を断られてしまう恐れがあります。きちんと準備を整えたうえで、M&A仲介会社とコミュニケーションをとるようにしましょう。

準備に不安があるなら、M&A Propertiesに相談

M&Aの実施は単純ではありません。M&Aを成功に導くためには、この記事で紹介したようにきちんとした準備が必要です。とはいえM&Aの経験がない場合、準備を自社だけで行うのは不安かもしれません。

そのような場合は、M&Aの専門家へ相談してみましょう。当社M&A Propertiesも、創業以来、飲食業における取り扱い総額は10年間で450億円という豊富なM&A実績があります。飲食店のM&Aについて熟知した、経験豊富な専門コンサルタントが、M&Aの初期検討、交渉、デューデリジェンスなどM&Aに関することをトータルでサポートすることが可能です。

M&Aの準備について悩んでいる経営者の方は、ぜひ一度当社M&A Propertiesにご相談ください。

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まとめ

事業規模の拡大などが目的でM&Aを実施する際は、成功のためにも入念な事前準備が必要となります。ターゲットの選定や買収予算の決定など、自社の希望に合わせてさまざまな準備を行っておきましょう。

その際は、実績豊富なM&A専門の仲介会社にサポートを依頼するのがおすすめです。