事業承継とは

事業承継には、後継者を決め社長を交代するという「経営の承継」と、オーナー経営者個人が所有する株式や資産の物的継承である「資産の継承」という2つの要素があり、双方が承継されて初めて、事業承継が成立することになります。事業承継の方法についてもご紹介します。


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事業承継とは、会社や事業の経営を、現経営者から後継者に引き継ぐことを意味します。
事業承継には、後継者を決め社長を交代するという「経営の承継」と、オーナー経営者個人が所有する株式や資産の物的継承である「資産の継承」という2つの要素があり、双方が承継されて初めて、事業承継が成立することになります。

事業承継の方法としては、「親族内承継」「親族外承継」「M&Aを活用」「上場/廃業」があげられます。
①親族内承継・・経営者の子や親族に経営権を譲渡する方法
②親族外承継・・対象企業の従業員や役員の中から選出し、経営権を譲渡する方法
③M&Aを活用・・M&Aによって、別の企業(第三者)に事業を譲渡する方法

中小企業の経営者の引退年齢は、会社の規模や業種にもよりますが、平均すると70歳前後と言われています。
中小企業・小規模事業者の経営者のうち、半分以上は60代以上となっており、今後数年で、多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎えるとみられています。
ですが、後継者不在の経営者は60代では約5割、70代では約4割、80代以上では約3割となっています。

従前より、事業承継といえば「親から子へ」などの親族への承継が一般的でした。
現在も子供や役員(従業員)への承継を検討することが多いと思われますが、「子どもに継ぐ意思がない」「子どもがいない」「適当な後継者が見つからない」などといった理由で廃業を予定している経営者も少なくありません。
ですが、廃業を予定していると答えた中小企業のうち、約4割強の企業が自社は今後10年間において事業の維持・成長が可能という回答をしています。

こういった状況の中、事業承継の手段の一つとしてM&Aを選択する経営者が増えています。
経済産業省も「事業引継ぎ支援センター」を開設しM&Aマッチング支援等を行っています。

M&Aによる事業承継は、売り手側にとって後継者問題や従業員の雇用問題、相続税対策などにメリットがあり、買い手側にとっては技術やノウハウ、人材等の獲得によって事業を拡大・強化する時間やコストを削減できるメリットがありますので、事業承継の手段として期待できるものとなっています。