異業種へのM&A|成功事例から失敗しないためのコツを探る

現在の事業が軌道に乗ると、多くの経営者は事業規模の拡大を視野に入れはじめます。とくに異業種への事業規模拡大を図るにあたり、M&Aは非常に有効です。実際に多くの企業が異業種間でM&Aを行い、成功を収めています。 今回は、異業種への新規参入にM&Aを活用するメリットについて解説するとともに、実際の成功事例や失敗を避けるコツを紹介します。


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異業種の企業をM&Aで買収する3つの効果

異業種の企業をM&Aで買収することによって、主に3つのシナジー効果を得られます。M&Aにおけるシナジー効果とは、M&Aを行った複数の企業が、それぞれの単純合算以上の価値を発揮する相乗効果のことを指します。

効果1.売り上げのシナジー

1つ目の効果は「売り上げを伸ばすためのシナジー」です。

買手企業は、自社の経営戦略に合った異業種の企業を買収することで、効果的な事業の多角化が期待できます。また、買手企業と売手企業の双方の持つ顧客を連携させることによって、マーケティングノウハウを連携させることで、マーケットの拡大もできるでしょう。
ターゲット客層を広げることで、売り上げの大幅な向上を見込めるのです。

効果2.コスト削減・効率化のシナジー

2つ目の効果は「事業成長にかかるコスト削減や効率化のシナジー」です。

事業拡大や新規事業の立ち上げを自社でゼロから行う場合、人材育成、設備投資には膨大なコストや時間が必要です。しかし、M&Aで異業種の企業を買収することで、売手企業のもつスキルや資産をそのまま継承することができるでしょう。
事業拡大や新規事業の展開を行うにあたり、時間の短縮やコストの削減といった効果を期待できます。

効果3.経営力のシナジー

3つ目の効果は「事業リスクの低下と経営力のシナジー」です。

売手企業について、すでに軌道に乗っている事業の資産・負債の状況、採算性その他も確認した上うえであれば、異業種間の企業でM&Aを行う場合でもことによって起こりうる事業リスクの低下させることができるでしょう。を狙えます。
また、買手企業と売手企業の経営に関するノウハウを統合することによって、より効率的な経営を行うことができるとも言えます。でしょう。

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有名企業も異業種に進出! M&Aで買収した事例

誰もが知っているような有名企業にも、異業種間M&Aによって大きな成功を収めたという事例があります。
この項では、異業種の企業をM&Aで買収することで、事業規模を拡大した成功事例を3つ紹介します。

事例1.老舗酒屋に対するM&A

2018年に日本酒事業の成長を目指す「株式会社Clear」というベンチャー企業が、老舗酒屋である「有限会社川勇商店」をM&Aによって子会社化しています。

株式会社Clearは、以前から川勇商店とタイアップして日本酒販売を目指していましたが、酒類の小売りには免許やネットワークが必要であり、多くの障壁がありました。
より自由な日本酒の販売のため、株式会社Clearは川勇商店のM&Aに踏み切り、日本酒事業の拡大を実現しました。

事例2.大手キャリア会社によるM&A

2017年に、auブランドの運営で有名な「KDDI株式会社」が「株式会社ソラコム」に対してM&Aを行っています。

株式会社ソラコムはIoT分野にて独自の技術を用いて活躍しており、既に注目を集めていました。具体的には、小規模でIoT事業の展開を考えている企業に対してクラウド上でシステムを提供し、「低価格でのサービス提供」を実現しました。

この実績に注目したKDDI株式会社は、既存の自社サービスの利便性向上と付加価値の追加を行うべく、ソラコムを買収しました、その結果、事業の範囲拡大に成功しています。

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異業種のM&Aで失敗しないためには

異業種企業でのM&Aは様々な効果をもたらします。しかし、M&Aの過程には困難や障壁が伴うことが多く、失敗に終わるケースも後を絶ちません。

ここでは、異業種間の企業でM&Aを行う際に気を付けるべきポイントを3つ紹介します。

ターゲット企業に想定されるリスクを明確にする

異業種間でM&Aを行う際、本業とは異なる業界のため、ターゲット企業(売手企業)のは、財務、経営、営業基盤、人事、技術など、さまざまな面でのリスクを想定しきれないケースも考えられます。不安を抱えていることが多いです

また、異業種への参入の場合、自社で培ってきた経営ノウハウが通用しない可能性も大いにあります。その場合、M&A後に買手企業と売手企業の経営におけるギャップを埋めなければなりません。売り手企業のスキルやノウハウを得られることはM&Aのメリットでもありますので、今後の経営指針について事前に検討しておきましょう。

親会社とその傘下の企業をグループとしてM&Aを行う際には、そのグループを構成するすべての企業の業績も把握しておきましょう。たとえ親会社の経営が順調であったとしても、その子会社や関連会社の業績が悪化している場合も十分に考えられるためです。

企業を取り巻くステークホルダーは数多くいますが、売手企業と大口取引先の関係性を事前に確認することは特に重要です。両者の関係が良好でないと、M&A後の業績に多大な影響を及ぼす危険があります。

M&Aを行う際には、専門家などに依頼をして様々な側面からリスクを明確化しましょう。

創業者・株主・従業員・取引先との関係性を調べておく

企業を取り巻くステークホルダーとして大口取引先の重要性について前述しましたが、そのほかの関係者についても入念な調査をすることが大切です。M&Aを行う前にステークホルダーとの関係性を明らかにしていない場合、後々になってリスクが顕在化することがあるからです。

とくに、創業者一族が運営する同族会社とのM&Aにおいて注意するべき点として、法人と一族の間に継続的な取引があるか否かということが挙げられます。このような取引は内容が不透明な可能性もあり、後々のトラブルを引き起こす危険があります。

また、売手企業の株主が分散している場合には、株主間に様々な利害関係や思惑が存在します。M&Aの形態には株式のやり取りを介する場合もあるため、このような状況では円滑なM&Aを行うことは難しくなるでしょう。

それぞれの業界に強い仲介会社を利用する

M&Aには複雑な手続きが必要であることが多く、専門家や仲介会社は成功のカギを握る重要な存在だといえます。業界ごとにM&Aの事情が異なるため、M&Aを考える際は、ターゲット企業の業界に強い仲介会社へサポートを依頼するようにしましょう

飲食業界に特化したM&A仲介会社ならM&A Properties

M&Aによる異業種企業の買収を検討中であれば、M&A Propertiesにご相談ください。

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まとめ

異業種間の企業でM&Aを行うことで、売り上げ、コスト、経営力など、さまざまな面でシナジー効果を期待できます。実際に多くの有名企業や大企業は、異業種間M&Aで新たな分野に事業を展開しています。

多くの魅力があるM&Aですが、売手企業は自社とは異なる点が多く、それだけ多くのリスクがあるということでもあります。それぞれの分野に特化した仲介会社を利用することで、調査を念入りに行い、着実にM&Aを進めるようにしましょう。