【中小規模の飲食店向け】M&Aで成功するための課題

飲食店が2店舗目を出して事業を拡大する際、M&Aによって店舗を買収し、2号店とする方法があります。中小規模の飲食店でも、M&Aはよく用いられる手法ですが、スムーズに進まないこともあるかもしれません。中小規模の飲食店が行うM&Aにはさまざまな課題があるからです。 そこで今回は、中小規模の飲食店がM&Aで成功するための課題や、解決方法などを解説します。


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中小規模の飲食店M&Aにおける主な課題

中小規模の飲食店のM&Aには、さまざまな課題があります。M&Aをスムーズに行うためには課題を知り、対策を立てていく必要があります。

そこで、まずは中小規模の飲食店M&Aにおける主な課題について確認していきましょう。

①マッチングの問題

中小規模の飲食店M&Aにおける主な課題のひとつに、マッチングの問題があります。いざ、他店をM&Aで買収し、自社の店舗数を増やして企業を強化しようと思っても、都合よく売り手側店舗が見つからないかもしれません。

会社を譲渡することに対して、マイナスのイメージを持っている経営者もまだまだ多くいます。また、会社の譲渡に対して抵抗が大きかったり、譲渡するのなら、譲渡金額や譲渡後の従業員の雇用などに不安がないように、大企業に譲渡したいと考えていたりするケースも多いです。

そのため、特に買い手が中小規模の飲食店の場合、知名度の問題などから売り手を探すのに苦労することも多いといえるでしょう。

②M&Aのノウハウがない

中小規模の飲食店では、買い手側にM&Aのノウハウがない場合がほとんどです。売り手側の企業の価値を判断するためには、売り手側の内情まで把握をしていく必要がありますが、中小規模の飲食店では、企業評価の知識を持つ人材が確保しにくいため、M&Aの知識・ノウハウを持つ部署や人材がいないケースが多いです。

決算書類だけでは経営状態の把握は難しく、妥当なM&A価格の決定や売り手が納得できる価格の提示を行うことができません。その結果、M&Aがスムーズに進まないことがあります。

③既存取引先との関係性

M&Aがスムーズに進まない原因には、売り手企業の既存取引先との関係性があります。

売り手企業の経営者としては、会社を売却することで、既存の取引先に迷惑をかけることを恐れます。買い手側としても、M&A後に飲食店舗をスムーズに運営していくためには、売り手企業の既存取引先との取引を継続させる必要があるといえるでしょう。

しかし、経営者が変わることで取引先が契約解除する可能性があります。飲食店の場合、料理の素材などを売りにしている場合も多く、取引先の契約解除による材料の仕入れができなくなるなど、大きな問題が発生する可能性もあります。取引先を安心させ、契約解除をなくすためには、丁寧な説明が必要となるでしょう。

④売り手側企業の経営状態

中小規模の飲食店がM&Aを行う理由には、市場シェアの拡大や事業の多角化などがあります。売り手側企業の経営状態が良好であれば、スムーズにM&Aを行うことができます。

しかし、売り手側は必ずしも良好な経営状態とは限りません。その店舗がある地域のシェアを拡大したい場合や、自社であればその店舗の経営を軌道に乗せることができると判断した場合などは、売り手側が良好な経営状態でない場合であっても、M&Aを行います。

逆に経営状態が良好でない場合は、ニーズに合った新商品・サービスの開発などのテコ入れが必要なため、M&Aをスムーズに行うことはできません。

⑤売り手側企業が抱える不安

売り手側企業が抱える不安をどう解消していくかも、M&Aの課題のひとつです。特に、雇用に関しては、代表者も従業員も不安を抱えています。

雇用されるかどうかはもちろんのこと、売り手側の従業員の処遇や評価がM&A前に比べて悪化すれば、従業員のモチベーションが下がってしまうでしょう。雇用の確保や給料面のことなどは、代表者や従業員に丁寧な説明をしていく必要があります。

また、売り手側が雇用以外に不安に思うこととして、業務内容があります。今までと全く異なる業務をさせられるのではないのかなど、M&A後の業務について不安に感じている従業員は多いです。業務内容についても雇用と同様に、丁寧な説明が求められます。

不安は従業員の士気に影響します。従業員の多くが辞めてしまうと、せっかくM&Aを実施しても、新たに従業員を雇い、ノウハウを身に付けさせていく手間がかかります。その結果、M&A実施後の経営がスムーズにいかなくなってしまうでしょう。

⑥双方の企業風土の違い

M&Aの効果を最大限に発揮させるためには、企業風土の融和が重要になります。企業風土の融和が生まれることで、M&Aによるシナジー効果を生みだすことができるからです。

しかし、急激な企業風土の統合は、お互いにショックを生み、人材流出やモチベーション低下につながりかねません。特に、飲食店の場合は店舗経営の形態や営業時間、従業員のシフトなど、多くのことが、M&Aの前と後で違ってくる可能性があります。

では、どのようにすれば、企業風土をうまく統合できるのでしょうか。それは、買い手側と売り手側の人材の融和です。双方の従業員の交流の場を設けるなど、人材の融和を上手く進めるための施策をする必要があります。

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課題を乗り越えてM&Aを成功させるためには

ここまでは、中小規模の飲食店M&Aにおける主な課題について見てきました。中小規模の飲食店M&Aには多くの課題がありますが、M&Aを成功させるためにはその課題を乗り越えていく必要があります。

そこで、ここからは課題を乗り越えてM&Aを成功させる方法について紹介をしていきます。

明確な目的意識を持つ

さまざまな課題を乗り越えて、M&Aを成功させるためには、明確な目的意識を持つことが重要です。明確な目的意識といっても、売上や利益のことではありません。M&Aの際には、売上や利益以外にも目をむけることが大切になります。

では、「売上や利益以外」とは具体的に何を指すのでしょうか。それは、企業の方向性企業理念などです。M&Aを行うことをきっかけに事業を改めて見直し、進むべき道を明確にします。

進むべき道を明確にしたうえで、従業員と共にM&Aの変化に対応していく姿勢を示すことが重要だといえるでしょう。

従業員と共にM&Aの変化に対応していく姿勢を示すことで、新たに加わった売り手側の従業員も新しい企業の一員になったことが実感でき、課題にぶつかっても一体感を持って事業を進めることができるようになります。

信頼できるプロに相談する

M&Aを成功させるためには、さまざまな課題があります。明確な目的意識を持つことで、買い手企業側と売り手企業側の従業員が一体となって、課題に立ち向かっていくことができるでしょう。

しかし、M&Aの個々の課題にどう立ち向かっていくのかを、経営者だけで考えるのは難しいです。
そのため、M&Aの課題については、できるだけ早く実績豊富な仲介会社に相談したほうが良いでしょう。

M&A Propertiesなら、飲食店のM&Aについて熟知した経験豊富な専門コンサルタントが在籍しています。しかも、飲食店のM&Aにおいては、10年間で取り扱い総額450億円という豊富な実績を持っています。

会社ごとに存在するさまざまなM&Aの課題について、豊富な実績や経験を基にした最適なアドバイスをすることが可能です。もしも飲食店のM&Aで困りごとなどございましたら、ぜひ一度、M&A Propertiesへご相談ください。

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まとめ

これまでは、M&Aは主に大企業が行う傾向が高い事業拡大の手法でした。しかし、現在は大企業だけでなく、中小企業であってもM&Aを実施したり、検討したりしている企業が増えています。これは、飲食業界も例外ではありません。

中小規模の飲食店も、M&Aにより市場シェアの拡大や事業の多角化を行うことが可能です。中小規模の飲食店M&Aでは、多くの課題もありますが、実績豊富な仲介会社に相談することで解決することが可能です。

飲食業界の競争を勝ち抜くためにも、今後ますますM&Aは重要となるでしょう。